こんにちは。Premium Watch Style、運営者の「T’s」です。
世界三大時計の一つとして雲の上の存在とも言えるヴァシュロンですが、いざ購入を検討し始めると検索候補に出てくるネガティブな言葉に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。高額な買い物だけに、リセールバリューや値下がりのリスク、あるいは維持費やオーバーホールに関する情報は絶対に無視できません。
また、一部で囁かれる人気ないという評判やダサいといった評価の真相も気になるところです。後悔しない時計選びのために、並行差別などのマニアックな事情も含めて、私が調べた市場の現実を包み隠さずお話しします。
- 資産価値の暴落リスクや具体的なリセールバリューの実態
- 「人気がない」「ダサい」と言われてしまう背景とブランドの立ち位置
- 購入後に待ち受ける高額な維持費やオーバーホールの現実
- 後悔せずにヴァシュロンコンスタンタンを楽しむための具体的な判断基準
ヴァシュロンコンスタンタンを買ってはいけない資産的理由

「買ってはいけない」と言われる最大の理由は、やはりお金にまつわる部分、つまり資産価値の問題ですね。ロレックスやパテック・フィリップのように「買えば儲かる」という感覚で手を出してしまうと、思わぬ痛手(含み損)を負う可能性があります。高級時計を購入する動機は人それぞれですが、「あわよくば将来高く売れるかも」という期待を抱いている方にとって、ヴァシュロン・コンスタンタンの市場動向は非常にシビアな現実を突きつけてきます。ここでは、感情論抜きにした市場データと私のリサーチに基づいた事実を見ていきましょう。
- リセールが悪く後悔するのか
- 値下がりと相場暴落の実態
- 人気がないと言われる背景
- ダサいという評価の真相
- パトリモニーの買取価格
リセールが厳しく後悔するのか?
結論から言うと、ロレックスのスポーツモデルやパテック・フィリップのノーチラスなどと比較すると、ヴァシュロン・コンスタンタンのリセールバリューは厳しい現実があります。
多くの時計愛好家が憧れる「世界三大時計(The Holy Trinity)」という響き。パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、そしてヴァシュロン・コンスタンタン。この並びを見ると、あたかも全てのブランドが等しく資産価値が高いように錯覚してしまいがちです。しかし、二次流通市場(セカンダリーマーケット)における評価、すなわち「換金率」という冷徹な数字で見ると、ヴァシュロンは他の二社に比べて大きく水をあけられているのが現状です。
具体的にどういうことかというと、パテック・フィリップの「ノーチラス」やオーデマ・ピゲの「ロイヤルオーク」が、正規店で購入した直後に中古市場で売却しても定価の2倍、あるいは3倍の価格がつくことが常態化しているのに対し、ヴァシュロン・コンスタンタンの多くのモデルは、正規店を出た瞬間に価格が下落します。いわゆる「定価割れ」です。
例えば、あなたが300万円を握りしめてブティックへ行き、美しいドレスウォッチを購入したとします。その瞬間、あなたの手元にある時計の資産価値(買取価格)は、場合によっては150万円〜180万円程度まで目減りしている可能性があるのです。「えっ、半分?」と思われるかもしれませんが、これが人気モデル以外の高級時計における「普通」であり、ヴァシュロンも例外ではありません。
特に、「買ってはいけない」と検索するユーザーの多くは、ロレックスのような「使って楽しんで、売る時も買った値段以上」という異常な相場環境を基準に考えていることが多いですよね。その基準でヴァシュロンを見ると、「大損する時計」に見えてしまうのも無理はありません。資産保全や投資目的で購入を検討しているのであれば、このリセールの弱さは致命的な欠点となり得るため、購入前に「自分はこの時計を一生持ち続ける覚悟があるか?」と自問自答する必要があります。
ここがポイント
資産性を最優先して「売る時に損をしたくない」と考えるなら、ヴァシュロンは慎重になるべき選択肢と言えます。逆に言えば、中古市場では「定価の半額近く」で極上の個体が手に入るため、買う側(中古購入)にとっては天国のようなブランドとも言えます。
値下がりと相場暴落の実態
「でも、スポーツモデルのオーヴァーシーズならプレミアがついているでしょう?あれなら安心なんじゃないの?」と思った方、実はそこが現在進行形で一番の注意点なんです。
確かに、ヴァシュロン・コンスタンタンのラインナップの中で、唯一無二の牽引役であるラグジュアリースポーツウォッチ「オーヴァーシーズ(Overseas)」は、過去数年間で凄まじい価格高騰を見せました。特に青文字盤の3針モデル(Ref.4500V)などは、定価の2倍以上、ピーク時には500万円〜600万円台で取引されていた時期もありました。この時期の情報だけを見て「ヴァシュロンも儲かる」と判断するのは非常に危険です。
最新の市場データを分析すると、この「オーヴァーシーズ・バブル」は完全に崩壊し、現在は厳しい調整局面、あるいは「暴落」とも呼べる事態が進行しています。世界的な金利上昇による投機マネーの流出や、主要マーケットである中国経済の減速などが複合的に影響し、相場は右肩下がりを続けています。
ある市場調査データによれば、オーヴァーシーズの人気モデルでさえ、ピーク時の最高値から見て数百万円単位の下落を記録しています。
具体的には、わずか9ヶ月ほどの短期間で150万円〜160万円以上の値下がりを記録したケースもあり、投資目的で高値掴みをしてしまったオーナーの中には、売るに売れない大きな含み損を抱えている方も少なくありません。
この下落スピードは、「ロレックスなどの安定資産とは比較にならないほど速い」という特徴があります。需要の厚みが違うため、一度売り圧力が強まると買い支えが入らず、価格がズルズルと下がってしまうのです。「いつか上がるだろう」という希望的観測で保有し続けるのは、精神衛生上も良くありません。
このように、「右肩上がり」の神話はすでに崩れているため、投機的な視点で購入するのは非常にリスキーだと言わざるを得ません。「落ちるナイフを掴む」ことのないよう、現在の相場が底を打ったのかどうか、慎重に見極める必要があります。
人気がないと言われる背景

ネット上で「ヴァシュロン 人気ない」という関連キーワードが出てくることに驚いた方もいるかもしれません。「世界三大時計なのに人気がないわけがない」と思いますよね。しかし、この言葉の裏には、ブランドの「知名度の低さ」と、所有者の「承認欲求の不充足」という切実な問題が隠れています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの最大の弱点は、圧倒的な知名度の低さにあります。もちろん、時計愛好家や富裕層の間では「雲上ブランド」として崇められていますが、一歩外に出て一般社会の視点で見ると、その認知度はロレックスやオメガに遠く及びません。悲しい現実ですが、300万円のヴァシュロン・コンスタンタンを着けていても、時計に詳しくない人からは「なんか高そうな時計」程度にしか見られず、最悪の場合はスルーされてしまうことさえあります。
これは、高級時計を「ステータスシンボル」として捉えている人にとっては耐え難い苦痛かもしれません。例えば、ビジネスの場や社交の場で、「いい時計ですね!ロレックスですか?」と聞かれた時に、「いや、これはヴァシュロン・コンスタンタンといって…」といちいち説明しなければならない煩わしさ。そして説明しても相手がピンときていない時の気まずさ。これらを経験したオーナーが、「高い金を払ったのに誰にも気づかれないなんて…」と嘆く声が、「人気ない」という評価に繋がっているのです。
また、パテック・フィリップであれば「知る人ぞ知る最高峰」というブランドストーリーが一般層にも(なんとなく凄そうというレベルで)浸透しつつありますが、ヴァシュロンはその中間に位置し、どっちつかずの状態にあると見なされがちです。YouTubeやSNSでの露出も、他ブランドに比べると控えめであり、「映え」を重視する現代の消費トレンドにおいて、存在感を示しきれていない側面も否定できません。
承認欲求のジレンマ
「良い時計をして周りに認められたい」「ドヤ顔をしたい」という気持ちが少しでもある場合、ヴァシュロンの「通好み」で「知る人ぞ知る」という立ち位置は、大きな物足りなさを感じさせてしまうかもしれません。逆に言えば、誰かのためではなく、自分のためだけに時計を着けたい人にとっては、これ以上ない選択肢となります。
ダサいという評価の真相

検索キーワードにある「ダサい」という辛辣な意見。世界最古のマニュファクチュールに対してあまりにも失礼な言葉ですが、なぜこのような評価が生まれてしまうのでしょうか。私は、これはヴァシュロンのデザイン哲学である「Understated(控えめ)」な美学が、現代のファッショントレンドとミスマッチを起こしている場合に生じる感想だと分析しています。
近年の高級時計トレンドは、デカ厚、異素材、スケルトン、ビビッドなカラーなど、一目で「高価で特別なもの」とわかるデザインが主流です。リシャール・ミルやウブロ、あるいはロレックスのギラギラしたモデルが持て囃される中で、ヴァシュロン・コンスタンタンのドレスウォッチは極めてクラシカルで、静謐(せいひつ)です。
例えば、代表作である「パトリモニー」を見てください。究極にまで削ぎ落とされたシンプルな2針や3針のデザイン、薄型のケース、控えめなインデックス。その洗練された美しさは、成熟した審美眼を持つ愛好家には「極上のエレガンス」と映りますが、派手さを求める層や、時計を見慣れていない若い世代には「おじさんっぽい」「地味で古臭い」「特徴がない」と映ってしまうリスクがあるのです。
また、スポーツモデルであるオーヴァーシーズについても、ベゼルのマルタ十字モチーフのデザインが個性的すぎるとして、「ここがちょっと…」と敬遠する声も一部にあります。パテック・フィリップのノーチラスやオーデマ・ピゲのロイヤルオークが、完成されたアイコンとして万人に受け入れられている(というより、それが正解とされている)のに対し、オーヴァーシーズはまだそこまでの「絶対的な正義」になりきれていないため、個人の好みが分かれやすく、それが「ダサい」というアンチコメントに繋がりやすいのです。
しかし、あえて言わせてもらえば、この「流行に迎合しない姿勢」こそがヴァシュロンの魅力です。一時の流行り廃りではなく、100年後も美しいと思える普遍的なデザイン。それを「ダサい」と切り捨てるか、「本質的」と捉えるかで、このブランドへの適性が分かれると言えるでしょう。
パトリモニーの買取価格
ヴァシュロン・コンスタンタンの真骨頂とも言えるドレスウォッチコレクション「パトリモニー」や「トラディショナル」。これらは時計としての完成度は極めて高いものの、資産価値(リセールバリュー)の観点からは「資産の焼却炉」なんていう怖い表現をされることもあるほど、厳しい現実があります。
市場の買取データをリサーチしてみると、その数字のインパクトに驚かされます。新品で購入しても、売却時の換金率(リセール率)が50%〜60%程度に留まるケースがザラにあるのです。ロレックスのプロフェッショナルモデルが換金率100%超え(買った値段以上で売れる)が当たり前とされる中で、この差はあまりにも大きいと言えます。
以下の表は、市場で一般的に見られるパトリモニーの価格動向のイメージをまとめたものです(※価格は状態や相場により変動するため、あくまで目安としてご覧ください)。
| モデルタイプ | 国内定価(目安) | 中古買取相場(目安) | 想定される損失額 |
|---|---|---|---|
| パトリモニー 3針 (ゴールド) | 約400万円 | 約180万円 〜 220万円 | 約-180万円 〜 -220万円 |
| パトリモニー 2針 手巻き | 約350万円 | 約140万円 〜 170万円 | 約-180万円 〜 -210万円 |
| トラディショナル | 約380万円 | 約160万円 〜 200万円 | 約-180万円 〜 -220万円 |
いかがでしょうか。定価で新品を買って、数年後に手放そうとした場合、高級車一台分くらいの金額が消えてなくなる計算になります。「新品を買ってはいけない」という言葉が、決して大げさではないことがお分かりいただけるかと思います。
なぜここまで下がるのか?理由は単純で、「需要が限定的」だからです。ドレスウォッチはスポーツモデルに比べて普段使いしにくく、特に金無垢モデルは傷つきやすいため、中古市場での回転率が悪いのです。買取店としても在庫リスクを考慮して、安めの査定を出さざるを得ないという構造的な事情があります。
新品購入の注意点
正規店で新品を買った瞬間、資産価値の3割〜4割以上が消えてしまう計算になります。「一生ものとして手放さない」「息子や孫に受け継ぐ」という確固たる覚悟がない限り、新品での購入は経済的なダメージが大きい選択と言えます。逆に、中古品を狙う場合は、前のオーナーが償却してくれた分、非常にお得に購入できるチャンスでもあります。
ヴァシュロンコンスタンタンを買ってはいけない維持費の罠

時計選びで多くの人が見落としがちなのが、購入後の「ランニングコスト」です。数百万の時計を買える経済力がある方でも、予想外の維持費の高さに「これなら維持できない…」と手放してしまうケースは少なくありません。
- オーバーホール代が高い
- 並行差別の有無と修理対応
- 中古購入の注意点とリスク
- オーヴァーシーズの投資価値
オーバーホール代が高い

世界三大時計なだけあって、メンテナンス費用もトップクラスです。機械式時計は3年〜5年に一度、分解掃除(オーバーホール)が必要になりますが、ヴァシュロン・コンスタンタンの場合、この費用が非常に高額です。
メーカー(リシュモン・ジャパン)でのコンプリートサービスを受ける場合、シンプルな3針モデルでも基本料金だけで十数万円、クロノグラフやデュアルタイムなどの複雑機構になれば20万円〜30万円、さらに永久カレンダーなどのグランドコンプリケーションになれば、スイス本国送りとなり、費用は青天井(見積もりベース)となります。
民間の修理業者に依頼すれば、半額〜3分の2程度の費用で抑えることは可能ですが、それでも一般的な時計に比べれば高額です。また、メーカー公式修理と民間修理では、将来的な「売却時の査定額」に差が出ることがあります。やはり「メーカーでのメンテナンス履歴(明細書)」がある個体の方が、中古市場では高く評価される傾向にあるからです。
さらに厄介なのが、メーカー修理の「融通の利かなさ」です。公式サービスでは、時計の機能と美観を完璧な状態に戻すことをポリシーとしているため、内部の機械だけ直してほしいと頼んでも、「針に腐食が見られるため交換必須」「リューズの摩耗により交換必須」といった具合に、部品交換を強制されることがあります。これを拒否すると修理自体を受け付けてもらえない場合もあり、結果として見積もりが想定以上に膨れ上がることがよくあります。
正確な料金については、公式サイトにシミュレーターが用意されていますので、購入前に一度、自分が欲しいモデルの型番を入力して確認してみることを強くお勧めします。
(出典:ヴァシュロン・コンスタンタン公式サイト『サービス料金シミュレーター』)
並行差別の有無と修理対応

輸入時計の世界には「並行差別」という言葉が存在します。これは、正規代理店以外(並行輸入店や中古店)で購入した時計に対して、メーカーが「修理代金を倍額にする」「そもそも修理を受け付けない」といったペナルティを課す措置のことです。フランクミュラーやブライトリング(かつてのクラブ・ブライトリング制度など)が有名ですが、ヴァシュロン・コンスタンタンはどうなのでしょうか。
結論から言うと、現状のヴァシュロン・コンスタンタンには、修理料金における明確な並行差別はありません。
リシュモングループの基本方針として、製品が「真正なもの(本物)」であれば、購入ルートに関わらず、世界中の正規サービスセンターでメンテナンスを受け付けてくれます。保証期間内の自然故障であれば無償修理も適用されますし、保証期間が過ぎていても、正規店購入者と同じ料金で有償修理を受けられます。この点については、中古で購入を検討している方にとって非常に安心できる材料です。
ただし、修理費の差別はありませんが、「顧客としての区別」は厳然として存在します。近年、ヴァシュロン・コンスタンタンはブティック主導の販売戦略を強化しており、オーヴァーシーズなどの人気モデルや、希少な限定モデルの購入権は、正規ブティックでの購入履歴(積み上げ実績)がある顧客に優先的に割り当てられる傾向が強まっています。
つまり、並行輸入店や中古店でヴァシュロンを購入した場合、製品そのものの価値は変わりませんが、メーカー側からは「顧客」としてカウントされません。将来的に「どうしても欲しいレアモデルがあるから正規店で買いたい」と思った時に、過去に並行品を買った実績は全く考慮されず、一見さんとして扱われてしまうのです。「ヴァシュロンとの長い付き合いを築きたい」と考えているなら、目先の安さに釣られて並行品を買うことは、将来のチャンスを捨てることになるかもしれません。
中古購入の注意点とリスク
ここまで「新品はリセールが悪い」という話をしてきたので、「じゃあ中古で買えばいいじゃないか」と考えるのが合理的です。確かに、パトリモニーなどを中古で安く手に入れるのは賢い戦略ですが、そこには「偽物(スーパーコピー)」という巨大な落とし穴が口を開けて待っています。
近年のスーパーコピーの進化は凄まじく、一昔前のような「見ればわかる粗悪品」ではありません。外観の仕上げはもちろん、裏蓋から見えるムーブメントの形状や刻印まで精巧に模倣されており、プロの鑑定士でさえ、ルーペを使って慎重に見なければ判断に迷うレベルに達しています。中には、本物の部品と偽物の部品を混ぜて作られた「フランケン」と呼ばれる個体まで存在します。
もし、個人間取引(フリマアプリやオークション)や、信頼性の低いショップで偽物を掴まされてしまったらどうなるでしょうか。当然、資産価値はゼロです。故障した際にメーカーに持ち込んでも、「当社の製品ではありません」と修理を拒否され、その場で偽物であることが確定するという地獄を見ることになります。
「自分は目利きに自信がある」という過信は禁物です。特に、相場より明らかに安い個体には必ず裏があります。
中古購入の鉄則
「安いから」という理由だけで個人のフリマアプリ等を利用するのは絶対にやめましょう。多少価格が高くても、長年の実績があり、万が一偽物だった場合の「全額返金保証」を謳っているような有名専門店を選ぶことが、結果的に最も安上がりなリスクヘッジになります。
オーヴァーシーズの投資価値
「ドレスウォッチはダメでも、オーヴァーシーズなら値崩れしないから投資になる」という考えを持っている方がまだいるとしたら、今の市場状況ではその認識を改める必要があります。先ほど「値下がりと相場暴落の実態」で触れたように、バブル的な相場高騰はすでに終了し、現在は調整局面に入っているからです。
もちろん、運良く正規店で定価購入できるのであれば、まだ二次流通価格との間にマージン(利益)が出るモデルもあります。しかし、二次流通市場でプレ値(定価以上の価格)を出して購入し、さらなる値上がりを期待して寝かせておくというのは、「落ちるナイフを掴む」ような極めて危険なギャンブルです。
時計の相場は株価と同じで、誰にも予測できません。しかし、ロレックスのデイトナのように圧倒的な流動性と需要があるモデルとは異なり、オーヴァーシーズは市場規模が小さいため、一度下落トレンドに入ると買い手が不在になり、売りたくても売れない状況に陥りやすいのです。
投資価値がないとは言いませんが、それはあくまで「10年、20年という長期スパンで見た場合」の話です。短期的な転売益を狙うような買い方は、今のヴァシュロンにおいては火傷をする可能性が高いでしょう。投機目的ではなく、「純粋にデザインが好きで、多少値下がりしても使い続けたい」という実需の精神で向き合うのが、今のオーヴァーシーズとの正しい付き合い方かなと思います。
総括:ヴァシュロンコンスタンタンを買ってはいけない理由と資産価値の真実
ここまで、リセールバリューの低さや維持費の高さ、ブランドの知名度問題など、厳しい現実ばかりをお伝えしてきました。しかし、これは決してヴァシュロン・コンスタンタンというブランドそのものを否定しているわけではありません。あくまで、「購入動機とブランドの特性がミスマッチしている人」への警告です。
最後にまとめとして、「買ってはいけない人」と、逆に「買ってもいい人(買うべき人)」を整理しておきます。ご自身がどちらに当てはまるか、最終チェックをしてみてください。
ズバリ、以下のような方は購入を避けた方が無難です。
- 時計を「投資商品」として見ており、短期的な売却益を出したい人
- 「買った値段より高く売りたい」「絶対に損をしたくない」というリセール至上主義の人
- ロレックスのように、誰が見ても分かる「わかりやすいステータス」や「ドヤ顔」が欲しい人
- 数年ごとに発生する20万円〜30万円単位の維持費(オーバーホール代)を負担に感じる人
- 急にお金が必要になった時、すぐに現金化できる流動性を重視する人
逆に言えば、これらのリスクを全て飲み込んだ上で、「リセールなんて関係ない。私はこの歴史と、職人の魂が宿る美しい仕上げを手に入れたいんだ」と心から思えるなら、ヴァシュロン・コンスタンタンは最高のパートナーになります。
特に、中古市場で価格がこなれたドレスウォッチ(パトリモニーやトラディショナル)は、時計本来の作り込みや品質からすれば「破格」と言えるほどお買い得な状態です。投資家たちが去った今こそ、真の時計愛好家にとっては、じっくりと良品を選べる「買い時」が到来しているとも言えるのです。
免責事項
本記事の情報は執筆時点の市場動向および私の個人的なリサーチに基づくものであり、将来の資産価値や相場を保証するものではありません。時計の価格は日々変動します。購入に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。正確な価格や仕様、修理規定については、必ずメーカー公式サイトや正規販売店で直接ご確認ください。
