大谷翔平ロレックスとの契約拒否？その真相と愛用時計の全貌

こんにちは。Premium Watch Style、運営者の「T’s」です。メジャーリーグで前人未到の活躍を続ける大谷翔平選手ですが、彼の腕元に注目が集まるたびに「なぜ大谷翔平はロレックスの契約を拒否しているのか」という話題が持ち上がりますね。巨額の富を得てもなお、海外のスター選手たちのように派手な高級時計を見せびらかすことなく、日本のセイコーやグランドセイコーを愛用し続ける姿には、単なるスポンサー契約を超えた深い理由が存在します。

この記事では、ヌートバー選手へのプレゼントや年俸の後払い契約に見られる彼独自の哲学を紐解きながら、大谷選手がロレックスを選ばない本当の理由について、私なりの視点で迫っていきたいと思います。

この記事でわかること

大谷翔平ロレックスとの契約拒否説の真相

世界中の高級ブランドが喉から手が出るほど欲しいであろう大谷翔平という存在。しかし、彼の腕にロレックスが輝くことはありません。ここでは、ネット上で誠しやかに囁かれる「拒否説」の現実的な側面と、彼が貫くスタイルについて掘り下げていきます。

なぜロレックスでなくセイコーなのか

多くのMLBスターが成功の証としてロレックスの「デイトナ」やリシャール・ミルを「これでもか」と見せつける中で、大谷選手がセイコーを選び続けているのは非常に興味深いですよね。結論から言えば、これは彼が大切にしている「時」と「進化」に対する価値観が、セイコーの企業哲学と完全に共鳴しているからだと私は感じています。

ロレックスは間違いなく素晴らしい時計ブランドであり、世界共通の「成功者のステータスシンボル」です。しかし、大谷翔平というアスリートの本質は、他者からの評価やステータスの誇示にはありません。彼が求めているのは、野球選手としての純粋な機能性と、自身のルーツである日本への誇りでしょう。セイコー、特にその最高峰ラインであるグランドセイコーは、ブランドフィロソフィーとして「The Nature of Time（時の本質）」や「進化し続ける（Keep Going Forward）」というテーマを掲げています。

これは、インタビューで度々語られる「昨日の自分を超えたい」「ただ野球が上手くなりたい」という、大谷選手のストイックな成長への渇望と驚くほどリンクしています。スイス製の時計が持つ「華やかさ」や「資産価値」よりも、日本の職人が突き詰めた「精度」と「実用美」を選ぶ。単に「日本製だから」という安易な理由だけでなく、機能美と実用性を極めたセイコーの時計は、派手な装飾よりも「中身」で勝負する彼の生き写しのような存在なのかもしれません。彼にとって時計は、他人に見せるためのアクセサリーではなく、自分自身を律するためのパートナーなのでしょう。

契約拒否と噂される本当の理由

「大谷がロレックスのオファーを蹴った」というドラマチックな話を期待する人も多いですが、実際のビジネスの視点で見ると、もう少し冷静かつ論理的な事情が見えてきます。実はこれ、「排他的スポンサー契約（Exclusive Sponsorship Agreement）」による必然的な結果なんですよね。

大谷選手は2018年のメジャー挑戦初期、あるいはそれ以前の日本ハムファイターズ時代からセイコーウオッチ株式会社と極めて深いパートナーシップを結んでいます。トップアスリートのスポンサー契約には、通常、契約カテゴリー（この場合は「腕時計」）において、スポンサー企業以外の競合製品を公の場で着用したり、宣伝活動を行ったりすることを厳格に禁止する条項が含まれます。

排他的契約のイメージ
大谷選手の場合、セイコーと契約している以上、仮にロレックスやオメガから「10億円でアンバサダーになってほしい」というオファーが来たとしても、契約期間中は交渉のテーブルに着くことさえできません。これは「拒否した」という感情的なアクションではなく、「契約上の義務を誠実に履行している」というプロフェッショナルな姿勢の表れです。

つまり、「ロレックスが嫌いで感情的に拒否した」のではなく、「セイコーという最高のパートナーを既に選び、その関係を大切にしているため、他が入る隙間が物理的になかった」というのが真相でしょう。しかし、ここで重要なのは、契約が満了するタイミングがあったとしても、彼はセイコーとの契約を更新し続けているという事実です。数ある世界的なラグジュアリーブランドの中から、あえてセイコーを選び続けていること自体が、彼の明確な意志（＝ロレックスではないという選択）であることは間違いありません。

ドジャース会見のグランドセイコー

全世界が注目した2023年12月のドジャース入団会見。スポーツ史上最高額の契約が発表されるあのような晴れ舞台で彼が着用していた時計に、私は思わず唸ってしまいました。彼が選んだのは、ギラギラの金時計やダイヤモンドが散りばめられたモデルではなく、非常にシックで知的な印象を与える「Grand Seiko SBGJ217」だったからです。

このモデルは、クラシックなデザインにGMT機能（2つの国の時間を表示する機能）を搭載した、知る人ぞ知る名機です。特筆すべきは、その心臓部に「メカニカルハイビート36000」という高精度ムーブメントを搭載している点です。1秒間に10回振動するという驚異的なハイビートは、外部からの衝撃に対しても高い安定性を誇り、高精度を維持します。

私はここに、大谷選手のアスリートとしてのメッセージを感じ取りました。激しいトレーニングと繊細な技術コントロールを両立させる彼のプレースタイルが、この「ハイビート」という機構に隠喩されているように思えたのです。また、GMT機能は日本とアメリカという2つの拠点を持ち、常に時差と戦いながら活躍する彼のライフスタイルそのものです。「目立つため」ではなく「自分らしくあるため」、そして「自身の生き様を表現するため」の時計選び。これこそが、大谷翔平という男のスタイルであり、ロレックスのような分かりやすい記号性を必要としない理由なのかもしれません。

年俸後払いに見る金銭感覚の変化

大谷選手がロレックスを買わない（必要としない）理由を語る上で避けて通れないのが、ドジャースとの契約内容に見られる特異な経済感覚です。10年総額7億ドル（約1015億円）というスポーツ史上最高額の契約を結びながら、その97%にあたる約6億8000万ドルを10年後以降の後払いにしたというニュースは、世界中に衝撃を与えました。

この契約構造が示唆している事実は明白です。彼は「今すぐ使える現金（キャッシュ）」に全く執着していないのです。通常、大型契約を結んだ直後の選手は、その成功を実感するために高級車やロレックス、貴金属を買い求める傾向があります。これは「顕示的消費」と呼ばれ、自身の成功を他者にアピールするための行動です。しかし大谷選手は、自身の年俸受け取りを先送りにしてまで、チームのペイロール（総年俸枠）に余裕を持たせることを選びました。

大谷選手の経済心理の分析

• 勝利への投資：自分の手元に現金を置くよりも、その資金で山本由伸選手のような強力なチームメイトを獲得してほしいと願っている。
• 物欲の欠如：日常生活において、数百万、数千万円の時計を即座に購入する必要性を感じていない。
• 長期的な視座：目先の贅沢よりも、引退後の長期的な安定や、野球界への貢献を見据えている。

「ロレックスを買うお金があるなら、チーム強化に使ってくれ」という無言のメッセージすら感じ取れます。この究極の「アンチ・マテリアリズム（反物質主義）」的な思考回路があるからこそ、彼がロレックスを持たないことに強い説得力が生まれるのです。彼にとっての最大の贅沢は「勝利」そのものであり、手首に巻く貴金属ではないのでしょう。

アストロンなど機能性を重視する姿勢

公の場ではグランドセイコーを着用する大谷選手ですが、プライベートや移動中、あるいはトレーニングの合間に愛用しているのが、セイコーの「アストロン」シリーズです。これは世界初のGPSソーラーウォッチとして知られ、地球上のどこにいてもボタン一つでGPS衛星からの電波を受信し、現在地の正確な時刻に修正してくれるという、世界中を飛び回るメジャーリーガーにとっては最強の実用時計です。

ここにも彼の徹底した「実用知（Practical Intelligence）」が表れています。ロレックスのような機械式時計は、芸術工芸品としては素晴らしいものの、数日に一度の時刻合わせやゼンマイの巻き上げが必要であり、また磁気帯びや衝撃による精度不良のリスクも抱えています。分刻みのスケジュールで動き、コンディション管理に全てを捧げる大谷選手にとって、時計が止まったり狂ったりすることはノイズでしかありません。

「絶対に止まらない」「狂わない」「電池交換も不要」というアストロンの圧倒的な信頼性は、大谷選手が道具に対して求める「機能美」の極致と言えるでしょう。ファッションアイテムとしてではなく、「生活を支えるギア（道具）」として時計を選んでいる点が、グラブやバットへのこだわりと通じていて非常に好感が持てます。彼にとって時計はステータスではなく、正確な時を刻み続けるための「計測機器」なのです。

大谷翔平がロレックスとの契約拒否で見せた美学

彼がロレックスを選ばない背景には、単なる契約上の理由や機能性の追求だけでなく、もっと人間味のある「美学」や「優しさ」、そして日本人としてのアイデンティティが隠されています。ここでは、いくつかの具体的なエピソードを通じてその深層心理に触れてみましょう。

ヌートバーへ贈った時計の秘話

私がこの「ロレックス拒否」説を調査する中で最も心を打たれ、大谷翔平という人物の深みに触れたと感じたのが、2023年のWBC（ワールド・ベースボール・クラシック）でのエピソードです。チームメイトとなり、日系選手として日本代表の誇りを胸に戦ったラーズ・ヌートバー選手に対し、大谷選手は自身の着けていた腕時計をその場で外し、プレゼントしました。これこそが、彼が高級時計をどう捉えているかを示す決定的な証拠だと私は思います。

もし彼がステータス重視でロレックスを着けていたら、それは単なる「換金性の高い高価なプレゼント」になっていたかもしれません。しかし、彼が贈ったのは、日本の魂が宿るグランドセイコーでした。そこには、「君は日本の家族の一員だ」というメッセージと、「2026年のWBCでもまた日本代表として戻ってきてほしい」という「再会の約束手形」としての意味が込められていたのです。

時計を自分の資産価値としてではなく、人と人との「絆（Bond）」を繋ぐための媒体として扱う。ロレックスのような世界共通通貨的な価値ではなく、文脈と物語のある時計を選ぶ。ここに大谷選手の温かい人間性が溢れ出ていますよね。

プレゼントした白樺モデルの値段

では、具体的にヌートバー選手に贈られた時計は何だったのでしょうか。時計ファンの間では既に伝説となっていますが、それはグランドセイコーの「Evolution 9 Collection SLGH005」、通称「白樺（White Birch）」と呼ばれるモデルです。

この時計は、グランドセイコーの製造スタジオがある岩手県雫石町の白樺林をモチーフにした、力強くも繊細な型打ちダイヤルが特徴です。岩手県と言えば、大谷選手の故郷でもあります。つまり彼は、自分の生まれ育った土地の風景を映した時計を、アメリカ育ちのヌートバー選手に贈ったのです。これほど粋な計らいがあるでしょうか。

項目	詳細データ
モデル名	Grand Seiko Evolution 9 Collection SLGH005
通称	白樺（White Birch / Shirakaba）
当時の定価	約115万5,000円（税込） ※価格改定により変動の可能性あり
搭載ムーブメント	キャリバー9SA5（次世代ハイビート）
受賞歴	2021年度ジュネーブ時計グランプリ（GPHG）メンズウォッチ部門賞

価格は約115万円（贈呈当時）。一般市民からすれば高額ですが、数十億円を稼ぐメジャーリーガーや、数千万円のリシャール・ミルを着けるライバルたちと比べれば、非常に「堅実」で「地に足の着いた」価格帯です。「値段の高さ」ではなく「意味の深さ」で物を選ぶ。大谷選手の故郷である岩手県の白樺林をモチーフにしたこの時計を選ぶあたり、彼の郷土愛と、ヌートバー選手への深い愛情を感じずにはいられません。

さらに深掘り：なぜ「白樺」が評価されるのか？

この「白樺」モデルは、単に文字盤が綺麗なだけではありません。搭載されているキャリバー9SA5は、グランドセイコーが持てる技術の粋を集めて開発した革新的なムーブメントです。高効率な「デュアルインパルス脱進機」を採用し、ハイビートでありながら80時間のロングパワーリザーブを実現しています。技術的にも世界最高峰の評価を受けている（時計界のアカデミー賞と言われるGPHGを受賞）このモデルを選ぶあたり、大谷選手（あるいは彼のアドバイザー）の審美眼は本物だと言わざるを得ません。

（出典：セイコーウオッチ株式会社「大谷翔平選手とグランドセイコー」）

ポルシェを贈呈した本当の目的

「大谷選手はお金を使わない」「物欲がない」とよく言われますが、使うべきところには驚くほど豪快に使います。その代表例が、ドジャース移籍時に背番号17を譲ってくれたジョー・ケリー投手の奥様、アシュリーさんへのポルシェ贈呈でしょう。

このエピソードも、ロレックスの話と根底で通じるところがあります。彼は「自分の見栄」や「自己満足」のためにはお金を使いませんが、「感謝を示すため」や「人を喜ばせるため」なら惜しみなく投資するのです。アシュリーさんはSNSで「Ohtani17」キャンペーンを展開し、熱烈なラブコールを送っていました。その情熱に対する「粋なお返し」として、新車のポルシェを贈ったわけです。

ちなみに大谷選手はポルシェのドライビングアスリート（アンバサダー）も務めていますが、自分が乗り回して高級車を見せびらかす姿はほとんど報じられません。むしろ、こうした「サプライズギフト」としてブランドを活用している印象が強いですね。「自分は質素に、他人には寛大に」。まるで現代の聖人のような振る舞いですが、これが計算ではなく自然体で行われているところが、大谷翔平という男の底知れない魅力なのだと思います。

愛用する腕時計の全モデルリスト

最後に、これまでメディアやSNSを通じて確認されている大谷選手の主な着用モデルをまとめておきましょう。もしあなたが「大谷選手と同じ時計を身に着けたい」「彼と同じ景色を見たい」と考えているなら、以下のリストは要チェックです。ロレックスが一つの選択肢であることは否定しませんが、これらの時計にはロレックスにはない「日本の心」が宿っています。

大谷翔平選手 主な着用モデルと選定理由

• Grand Seiko SBGJ217
  ドジャース入団会見で着用。クラシックなアイボリーダイヤルとGMT機能が特徴。派手さを抑え、知性と品格を演出する一本。
• Seiko Prospex SBEJ023 (1968 Heritage GMT)
  ドジャース移籍後の限定モデルとして話題に。チームカラーのブルーを基調とし、金色の「GMT」文字がアクセント。背番号17にちなんだ限定生産など、ファン垂涎のアイテム。
• Seiko Astron SBXC151 (Nexter)
  GPSソーラー機能搭載のチタンモデル。CMや移動中、スーツスタイルからカジュアルまで幅広く着用される実用機。メンテナンスフリーの快適さが魅力。
• Grand Seiko SLGH005 (白樺 / White Birch)
  ヌートバー選手へのプレゼントとして世界的に有名になった岩手の象徴。機械式時計としての完成度が極めて高く、所有する喜びを感じられる傑作。

これらを見ると、いずれも「機能性（GMTやGPS）」「デザインの品格（クラシックや自然モチーフ）」、そして「ストーリー性（岩手やチームカラー）」を兼ね備えたモデルばかりであることが分かります。単に高いだけの時計は一本もありません。ロレックスが入る余地は、やはり彼の価値観の中にはどこにも見当たりません。

総括：大谷翔平ロレックスとの契約拒否？その真相と愛用時計の全貌

結局のところ、「大谷 翔平 ロレックス 契約 拒否」という検索ワードに対する究極の答えは、彼が日本人としてのアイデンティティを何よりも大切にしている点に行き着くのではないでしょうか。

彼は単にビジネス上の契約だから義務的にセイコーを着けているのではありません。日本の技術力、日本人の持つ「モノづくり」の精神、そして自身の原点である故郷への愛を、自身の腕元を通して世界に発信しようとしているのです。世界最高の舞台で戦う彼が、世界最高の日本の時計を身に着ける。これほど美しいストーリーはありません。

ロレックスを拒否した（選ばなかった）という事実は、裏を返せば「日本を選び続けてくれている」という私たちへのメッセージでもあります。そんな大谷選手と同じ時計を身に着けることは、単なるファッションを超えて、彼の歴史の一部を共有し、同じ時代を生きる日本人としての誇りを感じることにも繋がるのかもしれませんね。

※本記事で紹介した時計の価格やモデル情報は、執筆時点での情報に基づいています。在庫状況や最新価格、生産終了情報については、必ず各ブランドの公式サイトや正規販売店でご確認ください。